ものすごーーーく久しぶりに書きます・・・・・・。



今日から大蘇(月岡)芳年の『月百姿』が始まります。


作者は、月岡芳年という明治期に大活躍した浮世絵師です。
芳年といえば「血みどろ絵」や「残酷絵」が有名。
(ここに載せたいですが、ちょっとグロテスクなので控えますね・・・)


彼の絵の特徴は、線が繊細、色鮮やか。加えて躍動感ある構図。
江戸の浮世絵とは雰囲気が違い、現代の漫画にも通じるような絵柄。
なのでファンも多い。



さて、「大蘇」という名前が気になりますね。

芳年は、20歳ぐらいのころに神経衰弱にかかってしまい、
しばらく作品が描けない状態になってしまったのですよ!

闘病生活を送ってたけれど、ようやく元気になり、
「大きく蘇る」という意味を込めて、「大蘇(たいそ)」という名前に変えました。
そこからまた精力的に作品を描き出してゆきます。

その一つの作品が『月百姿』なのです!!


『月百姿』は全部で100枚物の連作。
かならず「月」に関する故事や昔話などになっており、バリエーション豊かな作品です。

展示室の関係で、一気に100枚飾れないのがくやしい。(展示準備が大変だけれど・・・)

なので、前期・後期とわけて、2か月間展示します。こんなに期間が長いのは今回が初めて。


前期(2月8日~28日)は、平安貴族や戦国武将など人物が中心。
後期(3月8日~28日)は、中国の故事や日本の昔話、江戸の風俗などが中心。

となっています。

CIMG3889

そうそう。最後に余談。

「月百姿」の読みは、一般的には「つきひゃくし」と呼ばれていますが、どうもこれ、つきひゃくしではないのでは・・・?

なぜかというと、一枚一枚の作品に「月百姿」「つき百姿」と書かれているのですが、他に「つきの百姿」「月の百姿」と書かれたものが全部で十数枚あるのです。


たとえば、源頼朝の読みは「みなもと の よりとも」ですよね。

これと同じように、月百姿も「つき の ひゃくし」と呼ぶのが本当なのではないかな・・・・・・。???




というわけで、ぜひ交流館に来て「月の百姿」を見に来て下さいー。



※今回3階展示室は作品保護のため、室内が暗くなっております。
また、写真撮影はご遠慮くださいませ。
よろしくお願い致します。