2018年04月

4月21日(土)に江戸時代の粋に遊ぶがありました。今回は、「民謡の技芸あれこれ」という民謡舞踊を中心とした出し物でした。お越しくださったのは、モード・アルシャンボーさんというカナダ人女性です。
また お囃子に、お師匠さんであるムラマツ芸能技塾の村松喜久則先生、コロムビアレコード専属歌手の京極加津恵先生、そのお弟子さんの三味線担当をした三木聖香さんも来ていただき、より華やかな舞台になりました。

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まず初めに日本各地にある民謡を、まるで日本旅行してるかの如く、モードさんの語りを加えてお唄を披露してくださいました。
大田区の民謡「羽田節」、「二上り甚句」、足立区の民謡「千住節」、熊本の民謡「おてもやん(別名:熊本甚句)」、山形県酒田市の民謡「酒田甚句」、秋田県の民謡「秋田甚句」の計6曲。最後の秋田甚句の時には、モードさんに踊って頂きました。
民謡舞踊と日本舞踊は種類が違く、民謡舞踊(民舞)は言ってみれば、働く民衆の手で作られてきたものということです。その土地にまつわる神様、自然や先祖に向けて作られたのが「民謡」なんだそう。

甚句というのも、日本の伝統的な歌謡のひとつで、その土地土地で歌われた唄とも、神様に供える唄とも言われているものです。
日本独自の発声法でコブシが利いていて。スカッとしたよく通る声で歌い上げるので聞いてて気持ちがいいですね。日本人でも難しいと思うのに、凄いなぁと思います。

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モードさんは、幼少期からアジアについて興味があったようで。日本に来たのは大学の時で、2回目に来日した時に日本らしい体験がいくつかしたいということで、その中の一つに三味線があったといいます。それが村松先生との出会いだったとのことです。



休憩をはさみ、第2部は体験コーナー。
日本最古の民謡である「こきりこ節」を題材にしました。
富山県南砺市の五箇山地方のもので、田踊りとして有名です。

また、「ささら」「棒ささら」も持ってきて下さり、代表者数名が舞台へ上がり楽器の体験をしました。筆者も最後にささらを触らせていただいたのですが、不思議な形をしており、うまく音を出すのがちょっと難しく、手首のスナップをきかせないと、シャッシャッと音が出ないという…(苦笑)
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こきりこ節を披露してるところ。




それから小中学校の音楽で習う「ソーラン節」も、村松先生たちの伴奏に合わせてみんなで歌いました。



最後に「南部俵積み唄」を歌っていただき、京極さんの弾き唄&モードさんの民謡踊りで「秋田おばこ」を披露してくださいました。


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秋田おばこを披露してるところ





お客さんの中には知っている曲が多かったようで、口ずさんだりノリノリで聞いている方が見受けられました。




次回は、6月16日(土)14時から柳家紫文(しもん)さんによる「都々逸」です。
お楽しみに。

 4月18日(水)、講談de交流がありました。
15時ぐらいまでは雨が降っていたので、足元が悪い中でしたがたくさんのお客様に来ていただきました。ありがとうございました。

今回は前座の田辺凌天(りょうてん)さんと二ツ目の田辺一乃(かずの)さんにお越し頂きました。

まずは、凌天さんから「村越茂助ー誉れの使者ー」。徳川家康とその家臣である村越茂助のお話。茂助は腕っ節は強くユーモアがあり、あの秀吉も一目置いている人物。しかし読み書きができないために他の家臣から馬鹿にされ……。
雰囲気がとても穏やかな方でしたが、いざ本番になると声の調子が変わりますね。
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続いては、一乃さんの登場。本題に入る前に、少しまくらがありました。
一乃さんは川崎市生まれの方なんだそうで。やっぱり地元からこういった方が出てくれると嬉しいもので会場内から拍手が。
またお師匠さんは ひげの先生こと田辺一鶴氏のお弟子さんだったようで、これまた会場内が「おぉー」という歓声が。
「イリオモテヤマネコは120匹ぐらいいるけれど、講談師は今80名ぐらいだから講談師のほうが絶滅危惧種。そんな2人の絶滅危惧種に遭えたなんてすごい」と笑いを取る。これでもう、つかみはOK。


お話は「巴御前」。観客に女性が多かったこともあり(後で聞いたら、普段こんなに女性が来てくれることはないとのこと)、演目は女性が主人公のものでした。
巴御前は木曽義仲の幼馴染で、日本では数少ない女性武将の1人。91才で亡くなるまでの彼女の一生のお話でした。
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中入りを入れて、再び一乃さんの登場。


演目は「赤穂の早打ち」。


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赤穂浪士のお話です。話の中に東海道の宿場町を順番に並べてしゃべるところがあったのですが、それが面白かった! 地口を交えながら立て板に水のごとく喋り倒す姿に観客笑いと大拍手。
これはちゃんと台本(?)があれば見せて欲しいな…と思ってしまいました(笑)

そういえば講談って、先代の人たちのテープなどを聞きまくったり、師匠に稽古をつけてもらい教えられた通り忠実にしゃべるのか…?と思ったので、凌天さんに「講談って初めから自分で作るんですか?それとも代々伝わっているネタがあるんですか?」と聞いてみたら、「田辺流だと、台本みたいなものを渡されて。それを読んで、そこから少しずつネタを付け足したりして。その後師匠に聞いてもらい、直してもらうことが多いですね」とのこと。とっても嬉しそうに話すので「ああ、本当に講談が大好きなんだな」と感じました。
にしても、初めて知りました。そういったところも、ちょっと落語と違うんですね。


ちなみに、一乃さんは来年の4月に真打になるとのことです。
これからも楽しませていただきたいですね。



最後は恒例のサイン入り色紙ジャンケン。勝った方にプレゼントしました。


終わったころには、雨も振り飽きたのか、いい天気に。



次回は、7月18日(水)14時からです。
お楽しみに。

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